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2018年01月30日

平岡仁さんの窯詰めは作品を見る目が変わります。

 平岡仁

2017年12月のある日。

和歌山県にある平岡仁さんの工房に

窯詰めの様子を見学に行きました。

前々から窯詰めのときが一番神経使う…というのは

聞いていたので、じゃまにならないようにしなくてはと

ちょっと緊張して向かいました。

 

いつもはがらんと広い工房も、この日は窯詰め待ちの

うつわでいっぱいでした。

相変わらず迫力のある窯がお出迎え。

 

平岡さんに窯詰めや窯焚きをする上での気持ちの持ちようを

尋ねると「とにもかくにも、後悔のないように」と。

この窯をつかって焚くのは年2回。

薪の準備から始まり、作陶用の土をご自身で作って、

そのあと作品づくり。

毎回1500〜2000点程度の作りためた作品を1週間ほどかけて詰め、

その後、ゆっくりと温度をあげていき1週間ほど焼き続けます。

そしてまた同じ1週間ほどかけて温度を下げていき、

取り出した作品のひとつひとつを今度は3週間かけて

手入れしていきます。

文字で書くと数行のことですが、半年かけてとにかく後悔のないように

毎回あらゆる工夫をして段取りをしていくそうです。

 

そしてそれらの作業の中でも、窯詰めが一番好きな作業だそうで、

備前焼の陶芸家の間では「窯詰めで窯を焚いとけ」と言われているように

この作業が作品の出来を左右するのだそう。

焼締のうつわは、絵付けのようなわかりやすさはなく

火のあたり具合、灰のかかり具合で「景色」をつくっていきます。

その景色を作る上で、大切な作業が窯詰めで、

それは絵付けのようなものだそうです。

 

 ______

実際に作業を拝見させていただくことに。

平岡仁

藁を切って、皿の上に置きます。
この藁の部分は、赤いラインとしてお皿に焼きつきます。

平岡仁

平岡仁

前回の窯焚きのときに出た薪の灰。
ゴマと呼ばれ、平岡さんの場合、焼き上がりが黄色くなります。

平岡仁

上にどんどん小さいサイズの皿を重ねていきます。
重なり方で、下の皿の火のあたりや灰のかぶり方が違ってきます。
そして、その小さいものにも藁を。

平岡仁

 藁の上にはぼたもちと呼ばれる陶器の板を。
これを載せることで、乗せていないところには灰がかかったり
火が当たったりして、色の変化が生まれます。

平岡仁

 ぼたもちも、お手製。たくさんのサイズ展開、枚数です。

平岡仁

 徳利も藁でぐるぐる。キレイなラインになるように。

平岡仁

これは鞘という筒を被せて、火が直接当たらないようにしたり、
酸素を遮って、焼き上がりの色の変化をつけます。

平岡仁

 

こーんなに小さな箸置きも、ひとつひとつ同じ作業を。
しかも、あんなに小さなぼたもちまで。

______

 

藁をまいて、線をいれる。

灰をふりかけて色を変える。

火のあたり方や、鞘で酸素の量を調整して

グラデーションをつくったり、色を変える。

作品の完成図は頭のなかにあって、

窯の中でうつわを重ねたときの景色の付き方をイメージし、

轆轤をひいているときから形やサイズ展開を考えていきます。

それを丁寧に詰め、火をいれていく。

すべては計画的な積み重ね。

 

土や灰、藁など自然のものを使い、そこに炎のダイナミックさが加わって、

力のあるうつわが焼きあがります。

それでいて荒々しすぎずに、きちんと格好良く、

盛り付ける人が使いやすい料理映えがするうつわを作れるのは

緻密にトライアンドエラーを繰り返して細かくデータにとり、

それを元になんとか自分が思い描くうつわを作ろうとする

平岡さんの…なんといいますか、努力?…ちがうなぁ、うーん。

いい言葉が出てきません。

だけど、そういう作陶に向かう真摯な姿勢が、使う人に対しても向いていて、

それも全部うつわに現れているんだと思います。

 平岡仁

どうでしょうか、みなさん。

平岡さんの作品を見る目、変わりませんか?

今回、ここまでの作業を拝見できて、本当に良かったと思いました。

 

平岡仁さんの個展は、2018年2月3日(土)11時からです。

初日と二日目は平岡さんもいらっしゃいます。

そんな風につくられたうつわ、ぜひ手にとってご覧くださいね。

そして平岡さんといろいろお話してみてくださいね^^

 

 

最後に…手入れ。

平岡仁

窯から出しただけの作品には、こんな風に灰がびっしり焼き付いています。

これをひとつひとつ丁寧に削ったり、磨いたり…

そして、あの使い心地のいいうつわが生まれるのです。

今度うつわを手にした時、この状態を思い浮かべてみてくださいね。

 

 

 

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